EUよりイギリスの方向性が不透明では
ジョンソン首相としてはリーダーシップを見せれば、あるいは反対派を軽くあしらえば、離脱は簡単だと思ったのかもしれません。しかし議場の雰囲気は映像で見ていてもかなり閉塞感が感じられます。またBBCの記者の方たちもかつてないほど、厳しい表情に見えます。
過去数年はイギリス国内でEUは不要とか、イギリスの政治や文化の方がはるかに優れているという風潮が多く、実際にEU内で様々な問題が起きていたことは事実でした。しかしEU側が、離脱に関する条件や日程を出してくると、今度はイギリス国内の混乱が多く見受けられると思います。今までイギリスの問題はEUが原因だとしていましたが、どうもそうではなくイギリスが現代の国際政治や文化から遅れているような印象さえあります。
EU強硬離脱派、交渉で解決派、元からのEU残留派がイギリス国内にいると思いますが、ほぼ全員がイギリスという国に愛国心を強く持っていると考えてはいるようです。しかし、お互いがその考え方に(保守党、労働党の考えが基本だと思いますが)かなり嫌悪感を持っているようです。長らく離脱の議論がされてくるうちに、自分の国に対して深い疑問が出てきて、国民が自信をもてなくなってきたように見えます。首相としては選挙で決めたいのかもしれませんが、まずは予備的にイギリス国民全体の意識を真剣に聞き取っていただきたいと感じます
